fa-leanpub「楽園のアダム」読了
5月23日
通勤中にkindleで少しづつ読み進めていた「楽園のアダム」を読了した。
著者の周木率氏の作品を読むのは初めてだ。代表作には「眼球堂の殺人」がある。眼球堂を選ばなかったのは、「楽園のアダム」の方がこれまでにないものが読めるのではないかという期待からだ。
感想としては、かなり面白いと感じた。今年読んだ中でも一番かもしれない。ストーリーを読者に伝える事に注力されているのか、読んでいて頭の中に要点が箇条書きになっているような感覚がある。ストーリーも秀逸で、下手なハッピーエンドでないところも好みである。
舞台は「GIVER」のようなディストピア小説に分類されるのかもしれないけれど、一方で、そのタイトルから、旧約聖書のアダムとイヴがどうしても想起される。このアダムとイヴという誰でも知っている話が、読んでいる間ずっと頭の片隅に居座っていて、誰がアダムで誰がイヴで失楽園やリンゴはどれにあたるのか・・・という本作とは別の妄想が並走する。それが思い通りだったり、裏切られたりで最後まで楽しめた。
amazonなどの書評を見ると賛否両論で、平均としては普通の評価になっているが、刺さる人には深く刺さる作品なのだと思う。文体は私の好みにかなり近いので、他の作品も今後の候補に入れたい。