本日は、お日柄もよく 原田マハ
今回購入したのは「本日は、お日柄もよく」だ。著者の原田マハ氏の作品を読むのは初めてになるが、名前だけは聞いたことがあった。
書影や名前の響きから、純文学系の作品を書く作家と認識していため、これまで手を出してこなかった。amazonを徘徊していたところ、高い評価を受けていたのと、その内容の説明に驚き、脊髄反射でポチってしまった次第だ。
主人公は、想いをよせていた幼なじみの結婚式で伝説のスピーチライターと出会い、そのスピーチに感動し、スピーチライターの道を目指すという物語。
レビューに目を移すと、実際にそのスピーチ原稿が作品内に載っており、その内容もすばらしいとの評価が多かった。
新しいものを考え製品化して世に出していくという、クリエイターのはしくれのような仕事に就いている身の私としては、「おいおいおいおい・・・、なんちゅう恐ろしいことをしよるんだ」というのが率直な感想だった。これは控えめに言ってもヤバイ。
言葉を操ることで読み手の心を揺さぶる小説家が、作中に同じく言葉を操る伝説のスピーチライターという高いハードルを設けて、さらにはその伝説のスピーチライターが創り出すスピーチ原稿を載せている・・・。
これはどう考えてもヤバイ、リスクがデカすぎる。
登場人物の関係性をうまく描きながら、スピーチ原稿も読み手を圧倒するものでなければこの話は成立しないのだ。まるでホームラン予告をして、当たり前のようにホームランを打たなければならない状況に作家は追い込まれるはずで、それは生きた心地がしないのではないだろうか。
この作品は、これだけのプレッシャーの中で高い評価を受けている。クリエイターのはしくれの私としては、読まないわけにはいかないのだ。