本日は、お日柄もよく 原田マハ著
原田マハ氏は多くのヒット小説を発表されているが、私にとっては初めて読む著者だった。勿論、名前は知ってはいたけれど、純文学作家だと思い込んでいたこともあり、私の好みではないだろうと決めつけ、見送ってきた。
今回手に取った理由はamazon書評を見て回っている際に、著者が「本日は、お日柄もよく」にて極めてハイリスクな挑戦をした事を知ったからだ。しかも高い評価を受けて挑戦は成功を収めている。
所感
文体が平易で、ものすごく早いスピードで読み進めることができる。急いで読んで1行読み飛ばしてしまっても、文脈がきれいなため脳内で容易に補完できてしまう。私がこれまで読んできた著者の中でもトップクラスに読みやすい文体だと感じた。
物語に贅肉がないというか、普通なら存在しているはずの筋肉までが削がれている印象で、読み手の興味が向いている方向へスルスルと話が進んでいく。物語のドライブ感はすごくテンポが良い印象だ。少し読み馴れている人なら3時間くらいで読了できてしまうだろう。
主人公は幼なじみの結婚式で伝説のスピーチラーターと出会い、触発され自らスピーチライターの道を目指すという仕事小説。最終的には野党のスピーチライターに抜擢され活躍するまでになる。サクセスストーリーの裏には自分でも気付かない才能を発見してくれる友人の存在や、意識を高めてくれるライバルの存在、難しい人生の選択等々が描かれる。
描かれる人物相関が浮世離れしていて共感できるのかという懸念があったが、読者に訴えてくる内容は一般人目線であり杞憂に終わった。まだまだ続編が可能だと思われるため期待したい。また、2017年に映像化をされており、こちらも確認したいと思う。