インディペンデンス・デイ / 原田マハ
これまで私が読んできた小説の中で原田マハ氏の小説がかなりの割合となってきた。
短編集であること以外、本作の内容については一切知らないまま購入した。
短編種はで文体が読みやすいので通勤中にスマホで読むのに向いている。
あらすじ
閉塞した日常、退屈な仕事、つまらない男、結婚への焦燥……。
でも――。
顔をあげ、風を感じてごらん、世界はやさしく豊かだ。
親元から離れたい娘、スキャンダルに巻き込まれたニュース・キャスター、他人の幸せを見送る結婚式場で働く女性、夢にもがき、恋に悩む……
様々な境遇に身を置いた女性たちの逡巡、苦悩、決断を丁寧に切り取り描いた連作短篇集。
大人になって、知ってしまった。
社会に出て、知ってしまった。人生甘くないし、不公平だな、理不尽だな、ってことが、たくさんある。
いやになるくらい、落ち込んだり、あせったり、つまずいたり……。
でも、学んだことだってある。
人生に潔く向き合う気持ちがあれば、遠くまで歩いていけるんじゃないかな。
ふと振り返ると、ずいぶん歩いたな、という日がきっとくる。
大切なのは、「潔く向き合う気持ち」を忘れないこと。
読むほどに、元気になって、視線もグッと上がる1冊。
所感
原田マハ氏による女性視点の苦難と自分への向き合い方について語られる小説。
原田氏のこの手の本としては「さいはての彼女」が近しいのではないかと思った。
私が男だからなのだろう、女性特有の心理描写や考え方は理解はできても深い共感には至らない感じだった。
これは「さいはての彼女」を読了したときにも少なからず感じたところ。
読んでいる間は強い引力を感じるが、時間が経って思い出せるのは1、2話にとどまる。
まぁ、それでも十分なんだが。