蜜蜂と遠雷 / 恩田陸
上下巻の2部構成でボリュームとしてはかなり多い。
直木賞と本屋大賞をw受賞した作品ではあったけれど、音楽コンクールを題材にしたものという情報は耳にしていてそのあたりの知識が皆無の自分には向かないのではという思いから敬遠していた作品だった。
あらすじ
母親の死をきっかけに表舞台から消えていた天才少女。
再起をかけて国際ピアノコンクールに挑もうとする彼女の前に、楽器店勤めのサラリーマン奏者、名門音楽院在籍の天才、伝説の音楽家が送り込んだ無名の少年という3人のライバルたちが現れる。
やがて彼らは互いに刺激しあい、音楽の道を進んでいく。
所感
私は音楽にプレイヤーとして触れてこなかったし、特段の興味も持っていない。
本作はそんな私であっても上下巻に亘って惹きつける魅力がある。長い努力の末の一瞬に人生を掛ける者の心情や、その一方でそれに評価を下す者たちの葛藤がリアルに伝わってくる。
「のだめカンタービレ」が近しい設定なのかと感じた。
少なからずクリエイティブな仕事に片足を突っ込んでいる私にも少なからず共感できる点があり面白かった。