本が紡いだ五つの奇跡 / 森沢明夫
情景描写がものすごく上手いと私が勝手に思っている森沢氏の小説。
同氏の小説は基本的にハートウォーミングな内容が多く、文体も読みやすい。
連続短編集ということで、今回も通勤用の1冊として購入した。
あらすじ
本が生まれて、読者へとつながる
「本に関わった五人の奇跡の物語」。
仕事がなかなかうまくいかない女性編集者の最後のチャレンジで実現した新作小説。
その小説が人々を気持ちを奇跡のように紡いでいく。
心の機微をやさしく綴る感情の魔術士の最高傑作。
第一話 編集者・津山奈緒の章
第二話 小説家・涼元マサミの章
第三話 デザイナー・青山哲也の章
第四話 書店員・白川心美の章
第五話 読者・唐田一成の章
所感
表題に「奇跡」と謳っているとおり、普通に考えたらありえない「縁」が綴られている。
あまりにも出来すぎた設定に最近のアニメを見ているような感覚に陥るが、それはそれでも先が気になり読めてしまう。
同氏の短編集は飲食店に集う人々が描かれたものを数冊読了しているけれど本作は異なっていて、私としてはこちらのほうが好みだ。
「夏美のほたる」「キッチン風見鶏」の次点くらいに位置しそうだ。「虹の岬の喫茶店」と同じくらいかな。