
孤島の来訪者 方丈貴恵著
「孤島の来訪者」を読了した。
本作の著者である方丈貴恵氏は、以前読了した「時空旅行者の砂時計」と同じだ。
前作は「鮎川哲也賞」を受賞していたこともあって非常に面白かったのと、本作の一部が前作とリンクしているとのことから手に取る事になった。
「孤島の来訪者」という表題と、物語先頭に提示されている孤島の見取り図などなどから、昔ながらに日本に伝わる独特の風習や言い伝えになぞらえたジャパニーズホラーに近しいものかと思い読み始めた。
所感
テレビ番組の収録で「幽世島」へ向かう事になる主人公。 主人公には収録以外にも目的があり、同行しているプロデューサーとディレクターの殺害を画策している。
「幽世島」到着後、想定外の事が起こる。主人公が手を下す前にターゲットが殺されてしまう。
ターゲットの殺され方が45年前の事件に酷似しており、これを皮切りに一気にSFミステリーへと変貌を遂げていく。
実際の殺人を実行していたのは、擬態が可能な生物で「マレヒト」と呼ばれる。あらゆる生物に擬態が可能であり、対象となる人物の血液を吸血することでその記憶までも吸収できてしまう。ただし、擬態可能な条件や「マレヒト」を見破る条件などもあって、ストーリーは「人間」と「マレヒト」の頭脳戦となる。
物語後半には、「時空旅行者の砂時計」にも登場した「マイスター・ホラ」からの「読者への挑戦状」も存在する。
良くまとまった物語で「時空旅行者の砂時計」と同等かそれ以上の面白さがあった。
実は本作を読む前に、同著者の「名探偵に甘美なる死を」が高い評価を受けているのを発見していて、本命視していたが「竜泉シリーズ」の順を追った方が良いだろうということで先に本作に着手した次第だ。読む前はそこまで大きな期待はなかったが、読了後は満足感があり映像化も面白いのではないかと思う。
次作は「名探偵に甘美なる死を」を読みたいと思う。これでようやく「竜泉シリーズ」の発刊に追いつくことになる。







