
われら闇より天を見る クリス・ウィタカー著
この作品は海外小説の翻訳版で原作は「We Begine at the end」。
2022年「このミステリーがすごい」の翻訳部門で第1位を獲得した。
海外小説といえば、昨年「星を継ぐ者」を読んでその読みにくさに懲りたことが記憶に新しい。「星を継ぐ者」は随分と昔の作品であったことで、最近は必ず改善がされているはずと期待して購入に至った。
あらすじ
アメリカ、カリフォルニア州、海沿いの町。
30年前にひとりの少女が命を落とした事件は、いなまお町に暗い影を落としている。
自称無法者の少女ダッチェッスは、30年前の事件から立ち直れずにいる母親と、まだ幼い弟とともに世の理不尽に抗いながら懸命に日々を送っていた。
町の警察署長ウォークは、かつての事件で親友のヴィンセントが逮捕されるに至った証言をいまだに悔いており、過去に囚われたまま生きていた。
彼らの町に刑期を終えたヴィンセントが帰ってくる。
所感
海外小説独特のあのエグみは存在している。
全体ボリュームは500ページ程度と大きいが、1章あたり約10ページの49章立てになっていて読み進めやすさへの配慮が伺える。
作品最後にある書評にてあらすじに触れられている。読み終わった後の物語の整理が可能で、ここにも配慮が感じられる。
物語はよくあるアメリカのヒューマン映画が目に浮かぶようだった。
海外でも高い評価を受けたようだが、そこまで突出してはないだろうというのが個人的な見解だ。
どこまで広がっていくのか分からない世界観に不安を覚えながら序盤を読み進めたが、中盤以降は展開にスピード感が生まれスルスルと読み進められた。
読み手に何を訴えたいのか、友情なのか、ミステリーなのか、甘くない現実なのか・・・おそらく全てなのだろう。
家族愛、警察、刑務所、格差の形の在り方にあまりにも乖離があって、ストーリーの刺さり具合がヌルい可能性は否めない。
日本ならばすぐさま排除されてしまうような悪行に対しても受け皿が用意されている社会は、すんなり受け入れるのに高いハードルを感じた。
数をこなすしかないのだろう。







