
檸檬のころ 豊島ミホ著
本作は平成8年、つまり2005年に発行された。
田舎の県立高校に通う生徒や教師たちに一編づつ焦点をあてて描かれる連続短編集。
2017年に映画化されている。
あらすじ
同級生と馴染めない、音楽ライター志望の偏屈な女子に突然訪れた恋。
大好きな彼とさよならすることになっても、どうしても行きたかった、東京――。
山と田んぼに囲まれた田舎の高校を舞台に、「あの頃」のかっこ悪くて、情けなくて、でもかけがえのない瞬間を切ないまでに瑞々しく綴る、傑作青春小説。
所感
地味な学園青春群像劇。
辻村美月氏が描くような自己主張の強い生徒たちによるものではなく、想いはあるものの、それを表に出さずに生きている学生たちの物語。
実は世の中のほとんどの学生はこの小説にあるような心持ちで学園生活を送っているのではないかと思う。自分もその類であったこともあり、世の中もそうあってほしいという思いがある。
読者のレビューを見ると「ラブソング」が最も評価が高いようだが、私は最後の話に強い共感を得た。私も田舎から都会へ大学進学をしたことがあり、その頃の心象風景が取りこぼしなくかつ美しく描かれている。当時の感情が蘇った。







