
君のクイズ 小川哲著
本作は2023年4月現在、本屋大賞候補にノミネートされている。
クイズを競技という観点から捉えた小説でカテゴリーはミステリーに属するのだそう。
評判も高く、読みやすそうであったためデジタル書籍で購入し通勤中に読むことにした。
あらすじ
生放送のTV番組『Q-1グランプリ』決勝戦に出場したクイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手・本庄絆が、まだ一文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たすという不可解な事態をいぶかしむ。
所感
クイズ番組の生放送で、出題文が1文字も読まれていないにもかかわらず正答して優勝するという奇妙なことがおこった。
普通に見れば放送事故で、確実に「ヤラセ」なのだろうと思われるが、物語である以上そうはならない。
どのようなロジックで「ヤラセ」ではない形に導くのだろうという興味がページを捲らせる。
想像通り物語は「ヤラセ」ではない形に着地するのだけれど、その経路が素晴らしくうまい。
冒頭の「0文字回答」と最終的な「ヤラセではない理由」をそのまま繋いでしまうと大いに無理がある話になってしまうわけだが、物語を順番に追っていくとその不自然さが見えなくなるように誘導されている。最後には「なるほど」と言わせてしまう。
まったくどういう思考をすればこんな物語を書けるのか不思議に思う。
この流れの作り方はサラリーマン社会においても大いに学びがあると感じた。飛躍した提案に理解を得るために役立つと思う。しかしながら、この物語の手法を概念化できなければ使うレベルまで落とし込めないわけだが。。。







