
逆転美人 藤崎翔著
2022年に『双葉文庫』から発表された作品。
1年近く前に発表された作品だが、最近SNS界隈で注目が集まっていた。
伝説級のトリックが仕掛けられているという触れこみが刺さったようで、私も釣られる形で読んでみようと思い至った。
もともと読みやすい文体であるのと、本作が短編集ということで通勤中にもストレスなく読めるだろうと期待しキンドルにて購入した。
あらすじ
美人に生まれたのは罪ですか---?
抜群の美貌のせいで幼少期から何度も犯罪やいじめの被害に遭い、不幸ばかりの人生を歩んできたシングルマザーの香織(仮名)。
とうとう娘の学校の教師にまで襲われ、その事件が大々的に報道されたのを機に、手記『逆転美人』を出版したが、それは社会を震撼させる大事件の幕開けだった。
果たして『逆転美人』の本当の意味とは!?
全ミステリーファン必読、文学史に残る伝説級超絶トリックに驚愕せよ!!
所感
全体の350ページのうち、半分以上である236ページが「手記」に充てられている。残りの120ページほどが「追記」となっている。
この「手記」部分には「美人」であるがゆえに被ることとなったデメリットがこれでもかと綴られている。正直なところ、この「手記」部分を読み進めるのになかなかのストレスを感じた。デメリットの内容や時系列は変われど、訴えている内容はずっと変わらないままだからだ。
一転、「追記」フェーズでは「手記」部分がグダグダである理由は理解できる。
ストーリーとしての魅力と本の仕掛けられた物理的な「仕掛け」の魅力を分けて考えるとき、その境界線をぼやかすために「手記」が「娘による代筆」だったという建付けは絶妙であるともいえるし、もっと良い案もありそうな気がした。
先に読んだ「出版禁止」に近しい印象を持った。物語というより、仕組まれたトリックをクリエイティブな視点で楽しむものと捉えた方が良さそうだ。







