Memories
「滅びの前のシャングリラ」 読了

「滅びの前のシャングリラ」読了

 

3月5日

 

 先週購入した、「滅びの前のシャングリラ」を読了した。

 

 この著者の小説を読むのは初めてだったが、直近では「流浪の月」が本屋大賞に選ばれたとのことで注目していた。

 

 本作は4部構成になっており、各部ごとに別々の人物視点で書かれている。文体は自然であり、世の中で評価されない人間の苦悩や心の内が面白おかしく表現されている。思わず笑ってしまう表現が散見された。

 

 1ケ月後、人類が滅亡するとしたら社会はどのようになるのかという視点で描かれる群像劇。金や法律といった秩序に意味が無くなった世界の、”人間の在りよう”をイメージするのは難しくない。そのイメージの質量を損なうことなく表現されている。

 

 物語の結末は、もっとドラマチックな表現が可能だったのではと思うがどうだろうか。映像化されれば面白いものになると思う。昔観た、「ぼくらの七日間戦争」のようなテイストで作られると楽しめそうなストーリーだった。

 

 【余談】 作品中の表現を辿るにつけ、不意に阪神淡路大震災の様子を思い返してしまった。当時私は、大学の卒業式に向かうため、震災後間もない被災地を横断しなくてはならなかった。復旧してない電車の代わりに乗り込んだシャトルバスの車窓から見える荒んだ光景は今でも鮮明だ。

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